詩集44 救世主ことば

仲仁へび(旧:離久)

第1話 自分だけを救う結末



 立ち止まり続けていた

 動かない現在地

 更新されない地図


 前は 決して見ないようにしていた


 僕がしてしまった事

 僕が犯してしまった罪


 この足元にある骸と血だまりから

 目をそらし続けていた


 亡者がこちらを睨みつけている

 目をあわせろと訴えかけてくる


 もう 絶えられそうにない


 全部の期待には応えらえない


 君たちの想いには応えられそうにない


 重くて ひどくて つらくて


 一つずつ削っていってしまった


 自分だけを守るしかなかった


 そんな風にこっちを見ないで


 もう 忘れ去ってしまいたいんだ





「ストーリー」


 救わないんだね。


 でも。


 そんな事を言っているうちに。


 自分さえも救えなくなっているじゃないか。


 まるで本末転倒だ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る