9月26日 整備将校Y.K個人日記
本日は先月墜落により殉職したパイロット候補生の追悼式典が実施された。パイロットは嫌いだが死ねば仏であり冥福を祈るのみである。しかし、釈然としない思いもある。先週超過勤務と過労により鬱になった後輩の整備将校が自殺した。借りている官舎で首を吊っていたのだ。その死亡通知はA4の紙1枚、それを回覧したら終わりである。その後は遺族に官舎のクリーニング代を請求して終わりだ。今涙ながらに殉職したパイロット候補生の話をしている基地司令はおそらく先週自殺した整備将校の名前など覚えていないだろう。そもそも自殺が有ったことすら忘れているかもしれない。給料の値段だけでなく命の値段すら違う事実に苛立ちは募るばかりだ。結局この組織はパイロットという貴族とその丁稚かさもなくば奴隷に過ぎない他の職種という構成なのだろう。だから奴隷が何人死のうが貴族様は意識もしないし、仕事を減らしたりもしない。糞のような職場だ。パイロット以外で所属するべき組織ではない。早く退職したいものだ。
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