第35話 冬華はサービス精神旺盛

 そして時間が過ぎて文化祭の閉会式。

 そして今、ミスコンの結果発表をしている最中である。

 僕がステージ上に立っている女の子を見ていると冬華が

「ダメじゃないですか。彼女が隣にいるのに私以外の女の子を見るなんて。ギルティですよ?」

 と言ってきたので

「すまん」

 と謝る。

「ところでどの女の子を見てたんですか?」

「左端のネコミミをつけたメイド服を着ている女の子かな。ものすごく似合ってたから」

 と僕は冬華の質問に答えると

「私なら尻尾もつけてあげますし、なんなら宮都のリクエストにもこたえますから。だからステージにいる女の子を見ないでください」

 と冬華が言ったので、

「そこまでかよ…、いいけど」

 と言うと

「私のわがままに付き合ってくれてありがとうございます」

 と言われた。

 ちなみに、僕が見ていた女の子は10人中4位だった。


 閉会式が終わると、教室に机を戻す作業が行われる。

 普通逆だろ?と思うかもしれない。

 僕もそう思って暇な時に先生に聞いてみたら、「そっちの方が文化祭の雰囲気のままだから閉会式が盛り上がるし、文化祭が終わったことをより実感することができていいでしょ」ということだっと。

 そんな回想をしながら教室に椅子と机を戻していると、すぐに終わってしまった。

 僕が帰りの準備をしていると通知がきた。

【綾川】至急!同人誌作成部の部員よ集まれ!

【綾川】1人でこの量はキツイぞ!

【綾川】できれば早めに来てくれると助かるんだが…

【由希】了解!部長!

【由希】そろそろ終わるから行くね!

【宮都】僕も行きます。

【宮都】今から行きます。

 とLETTERでやり取りをしていると

「宮都、何してるんですか?」

 と冬華が聞いてきたので

「『部活の後片付けがあるから手伝いに来て』っていう内容のメッセージが来たんだよ。だから返信してたんだ」

 と僕が言うと

「私も行きます」

 冬華が言ってきたので聞いてみることに。

【宮都】冬華も連れて行ってもいいですか?

【綾川】もちろん!大歓迎だ!

【綾川】人員が欲しいからな!

【由希】冬華ちゃんも来てくれると話しながらできるからね!

【由希】いいよ!

 とメッセージが返ってきた。

 僕は冬華に

「いいってさ。だから行くぞ」

 と言って冬華の手を握ると、

「はいっ!行きましょう!」

 と嬉しそうに言って手を握り返してきた。


 部室に行くと、僕と冬華は長机を運んだあと、暗幕を綺麗に巻いて返しに行く。

 この暗幕が綺麗になかなか巻かさらないので苦戦した。

 しまいには綾川先輩が

「なんなんだよ!この暗幕は!なんで綺麗に巻かさらないのさ!あー!ストレス溜まるぅ!」

 とキレていた。

 冬華もこめかみをひくつかせていた。

 綾川先輩と冬華の新しい顔を見ることができたので僕的には良かったと思っている。

 言ったらなんかすごい飛び火しそうだから怖くて言えないけどな。




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