第32話 冬華はからかわれるのに弱いらしい

 冬華がキレて僕のことを「お兄ちゃん」と言い、昴の彼女さんが爆弾発言したりした「妹騒動」が終わったあと、すばるが僕の隣に来て

「どうやったら、ああいうゲームをばれずにできる?」

 と聞いてきたので

「諦めなよ。とゆうか、よくあのあとそんなことを考えるよな」

 と昴に言うと

「癒しって大事だよ?」

 と言ったので、僕は彼女さんと話している冬華のことを呼んで太ももの上にのせて頭を撫でながら

「お前もこういうこと彼女さんにしてあげろよ。いい癒しになるぞ」

 と言うと彼女さんがきて

「冬華ちゃん羨ましい!すー君、私たちもやるべきだよ!とゆうかやってよ!」

 と彼女さんが駄々をこねていたので

「昴。やればわかるさ。ほら、冬華を見てみろ。頬ずりしてきて可愛いだろ?」

 と言うと

「ええい!恥ずかしいけどやるぞ!」

 と昴が言って彼女さんを太ももの上にのせて僕と同じように頭を撫でると、彼女さんの顔がとろけていた。

 それを僕が見ていると

「これをやっている時に他の女を見るのはやめてください。悲しくなります。罰ゲームとしてもう少し続けてください。じゃないと許しません。一生許しません」

 と冬華が頬を膨らませて言ってきたので

「わかったよ。甘えん坊な僕の彼女さん」

 と耳元で言うと

「ひゃっ、ひゃい!つ、続けてくだひゃい!」

 冬華が嚙みながら言う。そのことをからかうと

「もぉ~、そんなにいじらないでよぉ~」

 といつもの敬語を忘れて僕の肩をポカポカと叩いてきた。


 そんなことをしていると

「はい!皆さん!お待ちかねの”ミスコン”が始まる時間となりました!」

 とアナウンスが聞こえた。

[宮都と冬華の場合]

 アナウンスが聞こえると

「始まったので、私といちゃいちやしてください!」

 と言ったので、ほっぺをツンツンしたり、はぐしたりとしていると

「ご主人様たち~!私に投票してね~!」

 と外から聞こえた。その時に「学校でこういう媚の売り方する人いるのか!」とびっくりしてしまい、冬華とイチャイチャするのをやめてしまった。それがまずかった。

「他の女の声を聞いて妄想にふけるのをやめてください」

「妄想してないよ。ただ、こんな媚の売り方する人いるんだなとびっくりしただけだから」

 と答えると

「私もやりましょうか?」

 と聞いてきたので

「いや、そういうのは公衆の場でやることじゃないからね。そういうのは二人きりの時でお願いします」

 と言うと

「でも、『お兄ちゃん』とは言いましたよ?」

「あれは、成り行き!とゆうか、自分で言ってたよね⁈僕、言わせてないよね⁈」

 とツッコミを入れると

「そうでしたね」

 というやり取りをしたあと

「結婚すると、毎日こんな楽しい会話をすることができますよ?」

 と真剣なまなざしで言ってきた。


 ちなみに昴と彼女さんはこんなことをしていた。

「ああ、綺麗な先輩たちを見ることができない…」

 と言って俺は涙を流していた。すると俺の彼女が

「じゃあ、私を見ればいいじゃない!はい、すー君が好きなツーサイドアップ!」

 というと

「俺はツーサイドアップは黒髪しか認められない派なんで。黒にしてもらうと個人的に嬉しいです。」

 と昴が答えた。

「黒染めかー。お金がかかるな~。ねえ、ほかの好きな髪形はないの?」

「栗色なら、ハーフアップかな?」

「わかった!ちょっと待ってて!」

 と言うと髪結いゴムを口にくわえて髪型を直し始める。それを俺が「女の髪結いゴムを咥える姿、いい!」と言いながら写真を撮っていた。

 そうしていると

「ご主人様たち~!私に投票してね~!」

 と言う声が聞こえてきた。

「見に行けてたらな~」

「すー君、私がやってあげるよ。あんな猫なで声じゃない声で」

 と髪を結いながら言ってきた。

「それ言う暇があるのなら、早く結び終われ」

「難しいんだよ、じゃあ、すー君やってよ!」

「わかった。」

 と言って俺は俺の彼女の後ろに行って結ぶことに。

 結び終わると

「少しアレンジした。そっちの方がお前に似合うから。」

 と俺は言う。俺の彼女は鏡をかばんから出して自分の髪型を見ると

「ありがと…」

 と言った後に

「ねえ、昼に言ったこと、覚えてる?」

 と聞いてきた。

「ああ、”高校卒業と同時に結婚”だっけか。」

「うん」

「私、高校卒業まで待てない。すー君、高校3年生になって誕生日がきたら結婚しよ?」

 と上目遣いで言ってきた。

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