第17話 文化祭準備はやることがないと暇である
「朝のホームルームで言うの忘れてたので今言います。今日を含めないともう文化祭まで残り1週間ぐらいなので今日から時間割が変則的になります。今日は3時間目まで45分の授業を行ってから、4時間目以降は50分の授業時間となり文化祭準備に移ります。」
と連絡をして職員室に戻っていった。
45分授業だが、授業の内容はいつもより濃かった。
そんな3時間の授業を終えて文化祭準備。
「あ、あの!今日は飾りつけの装飾を一緒に作りませんか?」
と誘われたので「いいよ」と答えようとすると
「宮都様は「いいよ」と言って手伝うので、私も手伝います。宮都様と離れたくないですから。」
かわりに冬華が答える。すると
「うん!ありがとう!」
と笑顔で海藤さんが言った。その笑顔を見ていると
「笑顔が見たいのならいつでも見せてあげますよ」
と言われた。
そんなやり取りのあと、近くにある机を向かい合わせに4つくっつけて椅子に座り、作業を始める。作業内容は「クワガタ、カエル、鶴、星をそれぞれ10個ずつ作る」という内容だ。
僕と冬華はそれぞれ5個ずつ作り、海藤さんも5個ずつ作った。それを作り終わると午前の授業は終わっていた。
昼休みになると同時にLETTERに
【綾川】今日から部室は使えないからご飯は各自で食べるように。あと、
【宮都】了解です。
と僕はメッセージを送信した。それからご飯を食べることに。
冬華が僕の弁当の中身を見て
「栄養バランスが考えられててすごい…勉強したい。宮都様のために…」
とつぶやいたので
「家が隣になるんだしいつでも教わりにくれば?」
と言うと
「はい!是非行かせていただきます。ふふっ、想像が膨らみます」
と言って喜んでいた。
しばらくすると、持ってきた飲み物が空になったので、僕は弁当を片付けてから
「冬華、飲み物を自動販売機に買いに行くけど一緒に来るか?」
と誘うと
「はい!是非行きたいです」
と言って冬華も弁当を素早く片付けて僕の隣をいつもより距離を詰めて歩く。
数分後いつもの自動販売機に到着すると120円を入れていつも飲んでいるジュースを選択した。冬華は「宮都様と同じものが飲みたいです」と言って僕と同じジュースを選択して僕たちは近くにあるベンチでジュースを飲むことにした。
冬華が「誰かと一緒に飲むジュースはいつもより美味しく感じますね」と言いながらなんでいた。
教室に戻ると海藤さんが泣きそうな顔をして席に座っていた。
「どうしたの?」
「宮都君、どうしよう…。1人でこんなに買えないよぅ」
と言って泣き出してしまった。
買うものが書いてある紙を見てみると、「段ボール、黒ペン、のり、絵具、ガムテープ、紙テープ」と書かれてあり備考に「明日まで」と書いてあった。
「じゃあ僕は段ボールを担当するよ」
と言うと
「私は黒ペン、のり、絵具を担当します。宮都様今日一緒に買いに行きましょう」
と言ってきたので僕は「いいよ」と言う。
「え、いいんですか?私の仕事なのに…」
「海藤さんは、”できない”と思ったから泣きそうな顔をしていた。違うか?」
「違わないよ」
「だろ?ならその仕事を仕事のない奴が手伝うのはだめなのか?そもそもこの集団の中で1人で全部やろうとする方がおかしい。できないと思ったら周りに”手伝って”と頼め。じゃないと海藤さんがつぶれてしまうぞ?」
と言うと
「グスッ。お願いします…」
海藤さんが泣きながら頼んできたため今日の放課後に冬華と店を回ることに。
しばらくすると海藤さんが落ち着いたのか
「すみません。見苦しいものを見せてしまって」
と謝ると続けて
「私は装飾専門店で残りのものを買ってきます」
海藤さんがやる気の満ちた表情で言う。
「わかった。なんかあったためにLETTERのIDを交換しよう。もちろん冬華とも。それでいいか?」
「いいですよ。交換しましょう」
そう冬華が言うと海藤さんがやる気の満ちた表情から嬉しそうな表情になって
「ほんとにありがとうございます!友達がやっとできた!うれしい!」
と言いながら僕たちとLETTERのIDを交換した。
そのあと装飾をして午後の授業を終え、放課後になった。
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