決め(られ)たのはじぶん
こどもの時は
〈決められたこと〉だけ
〈言われたこと〉だけを
していれば、ほめられた
じぶんが目覚めれば
〈したいこと〉が見つかる
おとなになる
そう言い聞かせ、歩いた
それなのに
じぶんはまったく目を覚まさない
したいことは見つからない
決められたことや言われたことをしても
もう、ほめられない
おとなと呼べる年格好になっても
こころはこどものままで
「じぶんで何か決めたことはあるか」
「あなたは空っぽなんだ」
「そのままじゃ、あなたは逃げ続ける」
痛い言葉が貫いた
こどものこころが砕けていく
涙は止まらない
息がしづらい
それでも、じぶんは何も変わらない
空っぽのからだでさまよい歩く
いまでも、じぶんは何も変わらない
空っぽのからだを引きずるばかり
何かを始めようとしても
どうにかもがこうとしても
死のうと決めようとも
じぶんで選んだ感覚はつかめない
何を選んでも決めても
流された末の結末みたい
果てに生きていることに
吐き気がしてくるようになった
今日もじぶんは生きている
それすらも、誰かが決めた
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