第46話 おだんご天使
今日はヘルニアの再診
雪がひどく、電車が止まり、タクシーも簡単に乗ることができない
そんな中、ようやくたどり着いた病院にいたのは、可愛い女の子だった
4歳でベビーカーに乗っていて、女の子は私に笑顔いっぱいの喃語を話してくれた
手を振り、手を伸ばし、こっちに来て?と合図を出され、ご両親に許可を得て、女の子に触れた
とても可愛く、愛嬌があり、ぎゅーしてほしいとおねだりまでされた
女の子は知的障害をもっていて、意思疎通も難しく、また周囲からの偏見などに悩まされているらしい
私はできる限りの傾聴をし、できる限りの保育をした
正しかったのかわからない
ご両親のお手伝いができたのかも分からない
でも私の心に残ったのは、可愛らしい女の子の小さな手のひらと愛情だった
今日の日は忘れてはいけないと思った
また会いたい、そう言われた
こんな嬉しいことはない
でも無力感があることには変わりなかった
何もしてあげられなかった私自身に腹が立ち、悔しい気持ちがある
もっと誠実に学ぶことができる心身だったら良かったのに
そう思った
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