(3日目)当選金受け取り

今日は、休み。


起きたら、銀行へ行く予定だったが、7時前に起きる。

まだ家を出るには早い。


ここ3日間、目覚めが良いのは興奮状態であまり寝られていないのだと思っていたが、少し違った。

人は朝方になると、何回か浅い眠りの時に起きかけるようだ。

かつては起きる意味もないし、仕事・現実世界より居心地の良い夢の世界へと逃げていた。

しかし今は浅い眠りでうとうとしている時に宝くじ当選を思い出し、一気に覚醒し、ワクワクして起きてしまう。



銀行が開く9時まで時間があるので、スマホで高額当選金について調べた。


身分証明書と印鑑があれば受け取り手続きはできるということ、振込み先を決めておくこと。


少し早いが、いてもたってもいられなくなり銀行へ向かった。


到着し、整理券の発券機へ向かい、受付の女性に目的を聞かれたので、宝くじの当選金の受け取りと告げ、順番を待った。

もっと驚かれるかと思ったが、あっさりした対応だった。



応接室で「おめでとうございます」と店長か副支店長だか忘れたが、祝福された。

彼はややそわそわした感じで私に宝くじが当たった時の注意点などを丁寧に説明した。

その内容は形式的なものであまり頭に残っていない。

ただ、私より一回りも二回りも年上のメガバンクのエリートである銀行員と、人生で初めて対等な個人として話をしたような気がした。


その後、当選金をどうするかを尋ねられた。


振り込みを希望すると、やや神妙な表情でどちらの銀行へ振り込むかを聞かれた。

私は当行へ預金する事を伝えると、彼はひと仕事終えたかのように安堵し、その後は淡々と手続きが進んだ。


宝くじ高額当選者のみにもらえる冊子があるようだが、これは必要ないと受け取らなかった。万が一その冊子を所持しているのを誰かに知られたら、それは高額当選がバレるから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る