第42話 キクちゃんの治療

寒さが続いたある日、98歳のキクさんが倒れた


かかりつけの病院に救急搬送されたが

家族から大事にされているキクさん

大きな病院で治療してほしいと家族からの強い希望があった


かかりつけの先生は、家族の意向に沿って大きな病院へ治療をして欲しいと

お願いして、再度救急搬送した


電話でお願いした時には、快く受け入れてもらっていたが、

実際搬送すると「治療はない」とそのままかかりつけの病院へ帰された


年齢を伝えていたはずであるが・・・

98歳の方に積極的な治療は行えないとのことであった


ご飯を食べられる状態ではなく、点滴治療が続くキクさん


デイサービスでは、ミヤさんがとても寂しそうにしている

それからまもなく、キクさんのことも忘れてしまう

最初は、名前を聞くと思い出す様子が見られていたけれど

キクさんを完全に思い出せなくなってしまった


それと同時期にキクさんは旅立たれた


98歳の女子会の雰囲気が無くなって、周りの方がさみしくなっている

ミヤさんは、静かに塗り絵をして過ごされている















  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る