第26話 こわい

「いやだ こわい」

男性スタッフがそばに来ることを嫌がるたーさん

少しでも男性スタッフが身体に触れると、大きな声で助けを呼ぶ


一部の男性スタッフは、おもしろがってわざとそばに行き

嫌がるたーさんをからかっている 


からかうことを止め、上に相談するも

「かわいいから愛情で出る行動」と上は言う


私は許さなかった

年齢が上の先輩に対して、本気で抗議した

しばらくすると、からかうことがなくなった

すぐになくなったわけではない

ここに精神科看護の闇がある


昔・・・どのくらい昔か年数はわからないけれど

いわゆる普通に成長しない子を隠していた時代がある

身体の大きさも心の成長も含めた普通に該当しないと判断された子を隠す


たーさんも隠された一人

学校へも行けず、隠された部屋で生きてきた

家族が亡くなり、たーさんの存在が初めて周囲に知られ保護された

そこから、何十年と入院されている


隠された中で、男性に乱暴なことをされてきたのだろう

どれだけの恐怖を感じていたのだろう

今の恐怖におびえる目をみていてもつらいのに

過去を思うと、心が痛む

なのに、さらにからかう人が許せない


高齢の心を病む女性を見ていると

このような体験をされたのであろうと思う方に数名出会う


こんなことはなくなって欲しいと思うけれど

乱暴って イジメって

今になってもなくならない



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る