となりの隣の花咲さんがうざい。
かまぼこ板
第1話 出会いと絶望
…花咲さんとの出会いそれは──
~入学式の日~
僕、赤木 涼はなぜか、ビショビショで学校へと向かっていた。その理由はわずか30分前へ遡る
僕「よし!…って!制服がデカすぎて何も決まってないじゃんか!」
玄関前の姿見を見て思う。
俺は成長が遅い。うん。つまり、身長が低い。だから制服も大きめのを買うはめに…
高校デビュー期待してたけど、こんなんじゃきっと無理だな…地味~な中学校生活と同じ予感…
僕「…行くか」
小さなため息と共に言う。
僕「行ってきまーす。」
…ふっ。誰もいないんだから、返事が返ってくるわけないだろ。まぁ詳しいことは後で説明するとしよう。
ガチャ
ドアを開ける
バシャッ!
女「あ。」
…は?
いきなり知らない制服美少女に水をかけられ、混乱していると、制服美少女が僕に声をかけてきた。
女「え、あ、ごめんなさい!」
見た目とは裏腹に、意外とハスキーがかった声で言う。
僕「え、なんで?」
女「はい?」
女から気が抜けた声がもれた。
僕「いや、なんで、玄関出た瞬間に水がかかるのだろうと。」
女「お庭の花が枯れていたので…」
僕「え?」
女「枯れていたからお水をと思ったのですが…迷惑でしたよね?」
そうですね。はい。てか庭にかかっていないしね。
でも、そんなこと言えるはずもなく…
僕「…随分、タイミングが良かったね。はは~…」
多分、笑えてない。
女の顔も引きつって、涙目だ。
僕「…あの、全然怒ってないから。」
嘘だよ。怒ってるよ。高校の入学式の日に、しかも新しい制服に水ぶっ掛けられたんだからね。
でも、ここで怒っては、…何というか、僕の方が良くない気がする。
僕「ん?」
ふと、女の制服を見ると、…同じ。
制服が俺の高校のものと、同じじゃないか。
僕「君、植崎高校の生徒なの?」
女「え、はい。今日、入学式で。」
まじかよ。
僕「僕もだよ。」
女がこっちを見て
女「新しい制服を汚してすいませんでした。」
しっかりあやまってくれた。
僕「…まぁいいや。名前は?」
──女「花咲 寧ノノです。」
これが僕と花咲さんの最初の出会い。
この時は花咲さんに振り回される日々が来るなんて思ってもみなかった。
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