人はそれを玉手箱と呼ぶ
maru
第1話:ターちゃん故郷に帰る
「ターちゃん、ほんとにこれでよかったのかな?」
私たちは、光も音も、なにもない空間を飛翔している。返事がないので、寝てしまったのかな、と思いはじめたとき、私の背中に乗るターちゃんが優しくささやいた。
「もちろんだよ、オトちゃん。僕の最後の願い、かなえてくれて、感謝してる」
きっと、そう言いながらターちゃんは、私からの贈り物をそっと抱きしめているのだろう。
「ターちゃん……」
行く手の空間が、少しずつ光と音を取り戻していく。その先にあるのは、ターちゃんの故郷。住民たちが「地球」という名で呼ぶ、ちっぽけな星だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます