【超能力先輩と元部長】
万「あ、小桜さん。部活行くの?」
ち「先輩!!おはようございます。一緒になるの珍しいですね」
万「たしかに。なんだかんだタイミングズレるしね」
万「今日友田さんはどうしたの?」
ち「一応楓は演劇部なんで、そっち行ってます」
万「ああそうか。完全になじんでるから、つい忘れちゃうよね」
ち「ぜひ忘れないであげてください」
ガラガラッ
?「あら、ずいぶん遅いのね。万」
ち(だれだろう? 幽霊みたいに色の白い人……)
万「つ、
椿「部室に来るのは三年生になってから初めてかしらね。久しぶり」
ち「あ、もしかして噂の元部長さんですか?」
椿「貴女は……水山先生の二人目の娘さんかしら?」
(※水山先生は超能力研究会の顧問です。)
ち「一応部員です。新一年生です!!」
椿「あらあら……?」
万「本当です。それと水山先生には娘さんが一人しかいません」
椛「おっすー。って、椿先輩!?」
愛「え、椿先輩来てるの?」
椿「あら、椛と愛もそろったわね。水山先生から新入部員が入ったって聞いて様子を見に来たのよ」
ち「それが私です。誰かの妹でも先生の娘でもありません」
椿「ああそれはゴメンなさいね。改めて、私、
ち「あ、小桜ちよです。よろしくお願いします」
椿「そうかしこまらないでいいわよ。私は部活の先輩ではないのだから」
ち「いや、ちょっと緊張しちゃって……」
ち(普段なら先輩が緊張してる私を抱きしめるところだけど、暖冷先輩の前ではそんなこと出来ないんだろうな)
椿「あなたは、どんな超能力者?」
万「あ、小桜さんは超能力者じゃないです。やっぱり、マズかったですか……?」
椿「いいえ。ここは超能力者を研究する部活ですからね。超能力者以外も歓迎してたのよ? 私の代では怪しすぎるからって誰も入ってくれなかったけど」
椛「怪しさという意味では今も変わってないですよ」
椿「なあに?」
椛「……何でもないです」
ち「えっと、暖冷先輩は温度を操るんでしたっけ?」
椿「あら、聞いているのね。そうよ、私は温度を操るサーモキネシスが使えるのよ」
愛「場を温めるのは苦手ですけどね」
椿「何かしら?」
愛「失言でした」
椿「全く数日顔を出さなければ、やりたい放題するんだから。困ったものだわ」
万「椿先輩も、それなりにやりたい放題だったような……」
椿「今日はみんなして私をいじめるのね!?」
椿「今日来たのは、新入部員への激励と、最近ちゃんと活動しているのか確認しに来たのよ」
万「依頼が来ないことをいいことに何もしてなかったからね……」(小声)
ち「それ、ほとんど先輩のせいですよね!?」(小声)
椛「俺たちに至っては帰ってたしな」
愛「それぞれデートの相手がいるからねぇ」
椿「あなた達、最近噂を聞かないけれど、大人しくしているのかしら?」
椿「けど、その割に悪評だけは三年生の教室にまで聞こえてくるのよね。何してるのかしら?」
ち「悪評……?何かしましたっけ?」
椿「部長が幼女を誘拐しているとか、校則違反の物を持ち込んでいるとか、学外で不純異性交遊スレスレのことをしたりとか」
椿「生徒会からは、部室を占拠してお茶会を開いているようにしか見えないとまで言われているわ」
ち「うわー心当たりがありすぎる」
万「それは……何と言いますか」
椛「否定できねぇな」
愛「まさか、そんなに噂になってるとは思わなかったね」
椿「まぁ、別にお説教に来たわけじゃないのよ。あなた達が元気そうでやってるならそれでいいわ。たまに遊びに来るから、あまり悪いことだけはしないようにね」
万「も、もちろんです!!」
ち「なぜ、敬礼!?」
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サーモキネシスの小話
熱を起こす超能力を発火能力(パイロキネシス)と呼ぶが、逆に熱を奪う超能力に名前はない。
サーモキネシスというのは、作者が勝手に付けた名称なので、もっといい案があればそっちに変えます。
超能力が実在するかどうかが分からないので、ネーミングも適当です。
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