ソールドアウト! 〜ゆきちゃんとお店〜



「侑希さん、見てください。めっちゃ、おいしそうじゃないですか?」



「ほんとだ。季節限定のコーヒーか。あれ? ゆきちゃんコーヒー飲めなかったよね?」



「お砂糖入れれば大丈夫です。入ってみましょうか」





「あ、売り切れてる」



「そ……、おうと。これなんて意味なんですか?」



「え……? ソールドアウト、売り切れって意味だけど」



「そうですか。売り切れちゃってたんですね。また、別の機会に来ましょうか」



「待って待って。ほんとに読めなかった? これ?」



「読めないですよ。読める上に意味もわかるなんて侑希さんすごいですね」



「いや、英語はできないけどソールドアウトは読めるよ……」



「でも、英語は苦手で……」



「まぁ、あんまり言うのもよくないか。売り切れって意味だから注文しちゃだめだよ」



「わかりました。ありがとうございます」



「あ、セールやってる。ゆきちゃん、あのお店入ろうよ」



「サレ? 去れって書いてありますよ」



「ん? なんのこと?」



「ほら、あそこに去れって書いてあるじゃないですか」



「サレ……、去れ……。も、もしかして、SALEのこと?」



「あ、セールって読むんですね」



「……。ゆきちゃん、ちょっとまずいかも。日常生活に支障がでるよ……」


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