ゆめ 〜侑希さんの姉妹〜
ゆき「っていう夢を見たんです」
侑希「っていう、って何?」
ゆき「ほら、昨日の」
侑希「僕がタイプリープしたやつ?」
ゆき「そうです」
侑希「あれゆきちゃんの夢だったんだ。なーんだ」
ゆき「そうですよ。ほんとに起こったことじゃないので安心してください」
侑希「よかった。なら安心だね、……とはならないけどね! ゆきちゃんの夢だったんでしょ。昨日の」
ゆき「? そうだって言ってるじゃないですか」
侑希「じゃあ、僕も同じことを体験してるのっておかしくない?」
ゆき「でも、どう考えても現実に起こりうることじゃないと思ったので夢だと思ったんですけど……」
侑希「それ、ゆきちゃんがタイムリープを経験したのならそれでいいと思うけど、タイプリープを経験したのって僕だよね? じゃあ、ゆきちゃんは僕が『ここは五月八日に僕が姉さんに将棋で勝った世界線なんだ』って言ってる夢を見たってこと?」
ゆき「そうです」
侑希「ねね、もし僕が『ここは五月八日に僕が姉さんに将棋で勝った世界線なんだ』ってほんとに言ってたとしたら?」
ゆき「どういうことですか?」
侑希「だから、僕実際に『ここは五月八日に僕が姉さんに将棋で勝った世界線なんだ』って言ってるんだって。姉さんも聞いたよね?」
ゆき「じゃあ、つまり夢じゃなかったってことなんですか……?」
侑希「そういうこと」
ゆき「そんな……、信じられません!」
侑希「それは信じられなくて当然だと思うけど」
ゆき「侑希さんがあんなに厨二チックなこと言うなんてそんなこと絶対にありません!」
侑希「え?」
ゆき「世界線がどうのこうのなんて背筋の凍るような寒いこと、私の好きな侑希さんは言いません!」
侑希「いや、そもそもタイムリープ信じてもらえてなかったんだ……」
弓槻「当たり前だろ……。ってか、いいのか?
侑希「ゆきちゃんに引かれるようなことじゃないと思うけど……」
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