待ち時間 〜ゆきちゃんと確認しないから〜



「あー! 待ってください!」



「はぁ、はぁ……。間に合わなかったね、バス」



「まだ走れば間に合うかもしれません。次のバス停で待ち伏せです」



「バスより早く次のバス停に行けるわけないよ。はぁ、はぁ……。諦めて次のバス乗ろう?」



「侑希さん、虫の息じゃないですか。情けないですよ」



「全然この程度じゃ死なないよ。虫の息って……」



「とりあえず少し時間できちゃいましたね。喫茶店でも入りますか?」



「いやいや、15分・20分のことでしょ。コーヒーが運ばれる前に出ないといけないよ」



「うーん。暇です」



「この前の遊園地の方が並んだじゃんか。わがまま言わないの」



「そうですね……。ごめんなさい。でもこの時間苦手なんですよね」



「待ち時間?」



「いえ、バスとか電車を待ってる時間です。ほんとに時間通りに来るかなって不安になりませんか?」



「それはなるね。あー、そういえば前一回あったな」



「何がですか?」



「時間になってもバスが全然来ないの」



「はい」



「時刻表を確認しても時間通りだから、おかしいなーって待ってて……。10分以上後になってようやく来たんだよ」



「日本でもそんなことあるんですね」



「それでちょっとイライラしちゃって……」



「仕様がないです」



「で、バスに乗ったら、車椅子の人が乗ってたんだよね」



「あ……」



「ちょっと勉強になってよかったな」



「そうですね」


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