占い 〜ゆきちゃんとあやしい〜



「侑希さん、占いって信じますか?」



「遊園地は?」



「遊園地に行こう! ってなってからすぐに行けると思いますか? そんなわけないですよね」



「急に怖いな。まぁ、正論だけど……。で、なんだって?」



「占いです。侑希さんは占いを信じますか?」



「占いかー。ニュース番組の順位が高ければもちろん嬉しいけど、そんなに気にしないかな。占いに何かあるの?」



「あの、職場の先生がなんとか占いっていうのにハマってるみたいで、おすすめされるんですよ。だから、どうなんだろうって思っただけです」



「うーん。やってみてもいいとは思うけど、ちょっとそういうのって怖いよね」



「そうですよね……」



「断りにくいとか誘った人と関係が悪くなるとかそういうのじゃない?」



「そういうのは大丈夫です」



「じゃあ、断ればいいんじゃない? そもそもその占いってどんなやつなの?」



「カードを使って占うみたいで、その結果によって、アイテムみたいなものを買うと運勢がアップとかなんとかって言ってました」



「何それ……、あやしくない? 占いにもお金かかるわけでしょ。さらにアイテムって……。その人はどんなものを買った、というか買わされたの?」



「壺を買ったって……」



「壺か。めちゃめちゃあやしいな……。その人大丈夫かな。他には?」



「うーん。どうやら、珠数も買ったって言ってたような……」



「珠数!?」



「はい」



「あやしすぎだよ。絶対にやめた方がいいと思う。余計なお世話かもしれないけど、その人にも言った方がいいかもね」



「結構他の先生も言ってるみたいなんですけど、聞く耳を持たなくて……。もしかしたら、もうどっぷりかもしれないです。ほんとに危ないですね。この前の全校集会でも児童の前で占いはすごいとかって言ってて……」



「全校集会? 何? その先生、全校集会でしゃべるような人なの?」



「そうですよ」



「まさかその先生って……」



「教頭先生です」



「教頭!」


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