第8話 どら焼きですわ



 渋いお茶のお供と言ったら間違いなくどら焼きですわ。

 ずしりと重いお菓子に期待が胸いっぱいですわ。

 ふんわりとしたこげ茶色の生地から漂う玉子とバターの濃厚な甘い匂いにクラっとしてしまいましたわ。

 匂いだけでなく口いっぱいに広がる優しい生地の甘さに脳が蕩けそうですわ。

 餡も北海道産高級小豆を丹念に煮込んだ職人の業の光る繊細な逸品ですわ。

 水飴を絡めたしっとり甘い粒あんは噛めば噛むほどに小豆の旨味が口の中を幸せで満たしてくれますわ。

 もちろん合間に渋めに淹れた熱いお茶をしばけば極楽浄土の気分を味わえますわ。

 パクパク、ズズー、パクパクもう最高ですわ。

 この至高の組み合わせを世界に広めれば、きっと世の中はもっと優しく平和でみんなが幸福になれますわ。

 日本人に生まれて良かったですわ。


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