9月7日 備忘録(小説風味)
日曜日、陸上の小学生選手権の引率? で子どもたちを見ていました。教え子たちの活躍を目の前で見れるって素敵な事だよね。胸いっぱい。ドラマもいっぱい。
小6男子に記録こされたので、私も頑張らなきゃって思いました。そこの云々をいつか書き出したいので小説風な備忘録を書きます。登場人物は先生と「青」のボツキャラ利久くんと「ヨンケイ」と「青」より一成くんです。
「先生、僕ねビッグスワン来るの初めてなんだ」
そう言って、いつもの競技場の何倍も広い会場を不安がっていた少年はもう何処にも居なかった。
真昼のバッグストレートは影がない。燦々と光が注ぐその中で、凛と背筋を伸ばして踏切板をじっと見て立っている。
「いきまぁす!!」
声変わり前の彼の掛け声に空気が変わる。最後の一本に込める思いはきっと誰よりも。彼はもうコドモじゃないんだ。
新潟のタータンを踏みしめる。勢いよく加速する。
大丈夫。一本目で自己ベスト出たじゃない。最後は思いっきり跳べばいい。好きなように飛べばいいよ。
「先生、この大会が県で戦うの最後だよね?」
「そうねぇ。だから君たち二人で一位、二位取って来なね」
サブグラウンドの会話がよみがえる。彼は「楽しく跳ぶ」なんて目指していない。何となく私が言った一番が欲しいんだ。相棒に負けるのは嫌。相棒以外に負けるのはもっと嫌。ああ馬鹿だ。あの子は何のために跳んでいるかなんてわかりきっていたじゃないか。
近くなる小さくて大きな教え子に祈る。
「……いけ」
カンッ、と甲高い音がして小さな体躯が空を舞う。砂の大きな飛沫が上がって、測定係の中学生が驚いて身体にかかった砂を払った。
「四メートル三十四」
セカンドだ。それでも頑張った。だけど。
「せんせ」
駆け寄る少年にはよくやった、頑張った。どうして私はありきたりな言葉しかかけられないんだろう。興奮と後悔で泣きそうな君には何て声をかけるのが正解なんだろう。
トントンと肩を叩かれて横を見る。
「利久のカタキ、俺取ってくるよ」
ああ、この少年も大人になった。彼らがどんどん遠くなってしまう。
「いっせー!! おまえがッ!! 一番にならないと許さないんだからな!!」
利久は泥だらけの腕で、自分より上背のある相棒を抱きしめて送り出した。
「……中学生になってもさ、僕、一成と競争出来ると思う?」
はらはらと涙を流しながら相棒を少年は見守る。
日向をまっすぐ走って、長い手足で空を翔る。
四メートル──
読み上げられる記録。私はキュッと拳を握って、キラリと光った少年の瞳をのぞき込む。
「利久くん、一成くんとの勝負はまだ終わらないよ。秋の大会、二人はまた強くなってる。中学生、高校生、それからも、きっとまだまだ」
だって君たち、伸び代しかない
なぁんちゃって〜。
いつかこれをベースにも書いてみたいね。言うだけな笑。
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