7月24日 近い未来の話

 突然ですが、私、佐藤令都は教育学部の学生であります。

 そろそろ二年目の夏休み目前であります。レポート課題、試験に追われている人間にこんな事している時間なんてないはず、というのは目を瞑れ。


 本題ね。授業とかで現職の先生とか、ちょっと前まで教壇に立ってましたよーっていう先生のお話をよく聞くようになったのね。


「部活動の民間移行ってぶっちゃけどう思う?」


 正直言っては(何もなければ)小学校の先生になる予定だから正直どうでもいい。部活ないから関係ないもんね。

 だがな、としては大問題なのよ。

 陸上競技をする少年少女を書いている。彼らの目線から見た「青」をずっと文字に起こす術を探している。彼らを見守る、かつて見た「青」を知る大人を描くために今日も走っている。佐藤令都の代名詞は陸上競技なのだから。

 近い未来に「部活動」は私の知っている形ではなくなってしまう。定額働かせ放題の教員としては負担が消えてらっくりできるでしょうね。

 ……でも、私の伝えたいきらきらは? いつかの子どもたちには伝わらなくなってしまうんだよ。ううん、もうすでに私たちの見ていた世界とは異なってしまっているでしょうね。当たり前にタブレット端末は手元にあるし、スマホも小学生ですら持っているのが普通で。教室はエアコン完備、深夜アニメは必修科目みたいなもん。


 いいね、より友達と転んでできた傷が勲章だったお子様たちどこー?

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