4月7日 拝啓、小さなはると

 本日は佐藤令都の19歳ラストデイになります。

 部活して、友達とご飯行って、これからバイトです。

 なんでもない一日の積み重ねで19歳が終わってしまいます。なんか、儚いなぁ。

「二十歳」ってもっと大人だと思っていた。

 こんなにぬるっと10代が終わって、次に目が覚めたら20代って、違うんだよ。まだ私大人じゃない。全然大人らしいこと出来ないし、なんなら精神年齢そこらのガキんちょと変わんないくらい子どもだし、想像と全く違う。

 お酒が飲める。タバコが吸える。だからなんだった言うんだよ。年ばっかり食って、全然大人になんてなってない。できることが増える。法律は許してくれても、自分自身が「できる」って胸張って言えること、私は何ができる? 小さなはるとに「二十歳の私はこんなことができるんだよ」と自慢できること何がある? 小さな私が「大人だね!」って目を輝かせてくれることは何?

 両手ですくっても、こぼれるものの方がまだ多いの。出来ないことだらけで、大人になることの勉強中。大学生の私は中途半端に社会に出て、部活で子どもと接して「先生」なんて呼ばれても、先生らしく教えること、私は出来てるの? まだまだなんだよ。車の運転もまだ下手くそ。料理だって未だに修行中。高校の制服来たら女子高生って誰も疑わないし。


 小さなはると。私、明日から大人になるんだって。

 早く大人になりたがったあんたが思ってるような人間に、少しはなれてるかな。近付いてるかな。

 お金持ちになるのは先の未来。

 車の運転は夏までには上手くなる予定。

 おいしいご飯が作れるようになるのは、食べてくれる人がみつかったらかも。


 優しくてかっちょいい、お母さんみたいな大人は二十歳のはるとはまだなれません。

 綺麗なお姉さんは日々努力。


 理想があることで実践できる。

 願力があることで理想は完成できる。


 小さなはると、私がんばるからー!!

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