2月23日 微睡みの中で

 目が覚めて、もう一度夢の中の君の名前を呼ぶ。

 朝方のぼんやりとした部屋みたいに、柔らかな光に包まれて、少しだけ薄暗い気がしたのは夢の中でみた君があんまりにも懐かしいせい。

 眠っていた一瞬でみた夢だったんでしょう?

 それでも、とっても長い時間一緒に過ごせた気がしたんだよ。断片的にしか思い出せないのに、一晩中君に思いを馳せていたんじゃなかろうか、なんて私は思ってしまうんだ。


 定期的に幼なじみが夢に出てきます。

 高二以来会ってませんし、連絡も全然とってないんです。


 夢の中ではいつも他愛もない話をしていて、目が覚めると「さっきまで隣にいたな」って温い布団で姿を思い返します。それから「彼は元気にしているだろうか」だとか「またばったり何処かで会うのだろうか」だの考えて、少しだけ幸せな気持ちで一日を過ごします。


 会えない時間で彼の時を止めている気がする。

 夢の中で私たちの時計は動かない。


 今日は図書室で会った。懐かしくて、幸せだった。

 お互いの身長差はほぼゼロのままで、手に取る小説も子供向けのまま。君の横顔も隣で机を並べた時と変わらず、大きな黒目がよく見えた。


 いつも何について話しているんだろうね。

 何がそんなに面白くて、笑っているんだろうね。


 名前を呼んだら会いに来てよ、なんて言わないから。

 だからせめて夢の続きで会いに来てよ。




 明日東京行くんですけど、そこで出会ったらマジ運命じゃね?? 恋しちゃうかもー笑。

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