　ナツコさんも今回は興味津々に食べてみたいって。マーニャには、アタシが切り分けて。材料と場所を提供してもらったエデンさんと一緒に、パンケーキを味わった。

「意外とイケルわね！」

　ナツコさん、生態上、仕方がないけど、口からお腹がハチミツでベトベトだよ。

　マーニャも喜んでる。そして、エデンさんは、

「驚いたな……似た物は食べたことはあるけど、もっと薄くて、こんなフワフワしてなかった。それと、このハチミツ凄く旨いな！」

　喜んで貰えて何よりです！

　エデンさんには、重曹をたっぷりお裾分けした。壺に保存してもらうことに。代わりにアタシは、いくつかのガラス瓶をもらって、それに自分用の塩、砂糖、重曹をしまう。

　その夜は、鹿肉のステーキとエデンさんの焼いてくれたパン、野菜シチューが夕食だったけど、美味しく頂きました。けれどもアタシは忘れていないよ。

　ナツコさんの水魔法と、マーニャの氷属性変化に牛乳があれば、生クリームは作成可能なのだ！これだけで100点！フルーツあれば120点！小豆があったら150点だよぅ！

　翌朝ー

　朝食にパンと野菜スープ、目玉焼きを頂く。牛乳付き！

　今日のクエストは牧場で牛乳しぼり込みの牛の世話の予定だったんだけど……

　今、アタシは大量の寸胴鍋に入ったミルクを大きなヘラで撹拌している。小振りの空樽にナツコさんに水を入れてもらい、マーニャには氷属性付与で冷やしてもらい、最初に卵黄だけで冷やしながら撹拌。結晶化してきたら途中から、砂糖とハチミツをたっぷり入れたミルクをオーガの怪力でかき混ぜまくってるのだ！

　これと言うのも、牧場主の奥さんソニアさんの前で、アイスクリーム作れそう、なんて口にしてしまったら食いつかれてしまったから。

　ソニアさんは、25歳の新妻で、旦那さんは狩人もしている牧場主のガレリアさん。

　一仕事終わった所でアイスクリームを口に出してしまったから……でも、後悔はしていない！

　やがて完成したアイスクリームを用意してもらった器に入れて、皆で実食……うンまぁ～いっ！！

　ソニアさん達も大感激してくれた！これにバニラがあれば！もっと良いのに！

　ハーブ、香辛料の類は今後も集めなきゃね。

　その夜、冒険者ギルドでエデンさん始め、村の人が皆集められてアイスクリームは振る舞われた。アタシの影空間収納があれば、溶ける事もないしね。

　ところが、これが思わぬ事に成り始める。アイスクリームを産業化出来ないか、だってさ！アタシの力を頼らずに、これは可能なんだろうか？

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