男は自室で悪魔を喚んだ。


「私を喚んだのはお前か人間……願いを言え。叶えてやる代わりにお前が死んだ後、お前の魂をもらう」


 男は悪魔の威圧感に押され、震えながら「世界を変えるだけの金が欲しい」と願った。


 男は昔から金持ちになることが夢だった。


 悪魔は笑いながら「容易いことよ」と指を鳴らし「魂の件、忘れることなかれ」と言い残し姿を消した。


 世界はたちまちハイパーインフレを起こし金は紙屑同然と化した。


 悪魔は男の願い通り


 男は自らの意図と違った結末に絶望し首を吊った。

 

「それでは、契約通り貴方の魂をいただこう」

 悪魔の愉快な笑い声だけが男の部屋に響き渡った。

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