132話 師弟対決2
目の前には炎の短剣が十本ほど出されていた。
「行きますよ、サウル」
そう言うと、四本の炎の短剣が僕に放たれる。
両手に魔力を込める。
二つの雷短剣を握り切り伏せようとする。
雷短剣と炎短剣がぶつかる。
クッソ重おぉぉぉぉ!
三本の炎短剣をギリギリで躱しラスト一本を受け止めるが、重すぎて中々弾き返すことが出来ない。
何とか弾き返すとミナの方を見る。
「やりますね、流石あの人の子供なだけありますね」
ミナの方を見ると先ほどの短剣がまた三本加えられていた。
正直言って化け物だ。
とはいっても投影魔法は使えないし……。
「流石、早いですね」
「主席ですから」
ミナは笑いながら僕を見る。
この人は正直、圧倒的すぎて勝つことが出来ない。
だけど、このままやられたくはないので必死に戦う方法を模索する。
「来ないのならもっと行きますよ」
瞬間、炎短剣・水短剣・雷短剣・風短剣・光短剣・闇短剣の6属性魔法全ての短剣がもう数えるのも面倒な程生成される。
「さぁ、見せてください」
え、嘘やろ?
そう思っていると剣が放たれる。
どこへ行っても避けることは不可能……覚悟を決めるしかない。
僕は決死の覚悟で風脚を再び発動して突っ込む。
元より退路はない、後ろに退けば弾き返すことが出来ないため僕はハチの巣確定だ。
風脚を維持しながら魔壁に強化魔法で魔力を最大限に回す。
維持が大変だ。
彼女の剣が当たるたび魔壁にひびが入る。
その度に魔力を集中的に回し、ヒビを修復していく。
やがてヒビが多くなり、修復が追い付かなくなる。
もう少しで彼女の方へ……。
そう思っていると目の前のミナは右手を前に出している。
まさか……。
「これで終わりです……炎砲撃」
炎の攻撃が一直線に向かってくる。
炎の攻撃が魔壁にぶつかる。
魔壁を修復しながら風脚を発動したが魔法の威力によってパキッとひびが入る。
そのまま修復する間もなく貫かれ、僕は炎に巻き込まれた。
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