122話 対峙

 サウル・ラットが気を失っている頃……。

 

「さて、まさか見られてるなんて……」


 彼からすればサウルがいたのが不思議で仕方なかった。

 

「この子の記憶を弄って人形にするのもありだな……」


 彼はそう呟くと同時にある方向を見る。


「おやおや、これはこれは……守護者、双璧の盾ナオト」

「やはり今回もお前が絡んでいたか……闇夜の幻想、カウン」

「当たり前じゃねぇか、俺の目的……お前なら分かってんだろ?」

「くだらない」


 そういうとナオトは地面を踏みつける。

 パリンという音が鳴り響く。


「僕にその程度で勝てるとでも?」

「マジで化け物かよ……」

「ふん、思ってもないくせに」

 

 ナオトが腕を振ると何かがカウンに向かって飛んでくる。

 カウンは受け止めず、そのまま胴体が真っ二つになる。

 そのままカウンは細切れになった。

 

「チッ!」

「ここで争ってもいいけど、迷宮女王ポルトレギナやもう一人の守護者の花の楽園フラワーガーデンが来られたら僕に勝ち目はないし引かせてもらうよ」

「逃すか!」


 もう一度足を鳴らす。

 

「逃げられたか、逃げ足の速い奴め……」

「お父さん!」

「すまない、逃げられた」

「ううん、それよりその子……」

「あぁ、多分見たんだろう……一応医務室に」

「……わかった」


 そのままクレアはサウルを医務室へ連れていく。

 

「すまない、ハナ……」

「ううん、貴方が無事なら私はいいの」

「それにしてもアイツが出てきたって事は……」

「えぇ、多分……」


 そう言うと、そのまま二人は暗闇の中に消えていった。
















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