このまま

筑紫榛名@12/1文学フリマ東京え-36

(一)

 六年、いや七年か。久しぶりに、別れた彼と再会した。

 それは三子多摩川みつこたまがわのショッピングセンター内にある、エクセルバックスコーヒーの店内だった。

 私はこの店で働いていた。そして注文の品をトレーに乗せて席まで持って行った。

 その席に居たのが彼だった。注文に来たのはかわいらしい女性だったが、その夫が彼だったのだ。

 女性のそばにはベビーカーが置かれ、赤ん坊が眠っていた。

 彼は私に気づかなかったが、私にはすぐにわかった。


(続く)

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