第2話
「あのダンボールから猫の鳴き声がするよ、
友達の理香ちゃんが、電信柱の傍にある大きなダンボールを指差しました。
「本当だ! 大きい猫さんと小さい猫さん、二匹もいるよ!」
私が段ボールに駆け寄ると、中には二匹の猫が入っていました。
毛並みも柄も違うし、どうやら親子ではないようです。でも二匹はとても仲良しに見えます。
私は大きい猫さんと小さい猫さんを撫でました。毛並みがふさふさで可愛いです。
「どちらかじゃかわいそうだから、二匹とも連れ帰って飼おうかな」
私がそう呟くと、友達の理香ちゃんが物凄く驚いた声を上げました。
「え!? ソレ…飼って大丈夫なの!?」
友達の理香ちゃんは、なぜか遠巻きに見ているだけで段ボールには近づいてきません。どうしたんだろ? 理香ちゃんも猫好きのはずなのに。
「飼うなら子猫のほう一匹だけにしなよ」
「じゃあ大きい猫さんは、理香ちゃんが飼ってくれるの?」
私が期待を込めた眼差しで見つめると、理香ちゃんは怪訝な顔で否定しました。
「嫌だよ! だってソレ変だもん!?」
理香ちゃんはそう言うと青ざめて、ぷるぷるしながら大きい猫さんを指差しました。
「そうかな?、二匹とも可愛いよ。理香ちゃんも撫でてみなよ」
私は理香ちゃんの手を掴んで、段ボールのほうへ引き寄せました。
「いや~!? 一匹は子猫だけど、もう一匹は猫耳と尻尾をつけた半裸のおじさんじゃない!。怖いよ!キモイよ~!危ないよ~!」
理香ちゃんは悲鳴を上げながら、わけのわからないことを叫んで走って逃げて行ってしまったのです。
「変な理香ちゃん…」
私は理香ちゃんのおかしな行動に首を傾げます。
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