メモの切れ端、ノートの片隅
綾瀬 仁菜
第1話 海へ行きたい
海へ行きたい。
夏じゃないから、行きたい。
遊びたい訳では無い。
はしゃぎたい訳でもない。
ただ、波の音を聞いて
物思いに耽れたら満点。
曇っていてもいい。
晴れていてもいい。
雨は降らないで欲しいな。
写真を撮って 絵を描いて
お気に入りの曲を聴く。
センチメンタルに呑まれたら
ちょっとだけ足を水につけてみる。
やっぱり冷たかったと言って
切ないまま帰るのがいい。
楽しくないかもね。
でもそれがいい。
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