第30話

「そっか...」


「あ、でも、もう、誰にもバカにされることはないと思うからさ...!」


「学年二位って凄いことだからさ...!」


「うーん、まぁ、シンジくんの

まとめノートがなかったら取れなかったなぁ」

ベッドのへりにふたりして腰掛けてる今。

チラリと、彼女の右手の中指の先端を見たら。


ぺんだこと思しきものが見て取れた。


「努力したんでしょ?なんか、ぺんだこみたいなのあるし...。

自信持ちなよ...!」


「うん...」


彼女を励まし、俺は、

腕時計を見た。


「そろそろ出なきゃ...」


「うん、また来よ?今度は絶対、

しよーね?」


「う、う、うん、、」


「約束だよ?」


「う、う、うん、、」


俺は彼女と別れ、帰路に就いた。


何だか夢ような時間だった。


俺の初体験も。

彼女の初体験も。


持ち越されたこととなった。





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