第9話
「ちょっと待って...。
渡したいものがあるの...」
「ものって言っても、紙切れなんだけど...」
彼女は俺の手に、
ふいっと小さく折り畳んだ紙切れを握らせた。
それから、席を立ち、
俺の耳元でこそっと呟いた。
「この番号に電話して...?
今度会うときは、ホテルで会お?」
「え」
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