第31話 花の別れ

取り壊された家のことは すぐ忘れるのに


一緒に消えた花に 胸が痛んでしまうの


去年は 八重椿の桃さん 跡地は駐車場に


その隣家に咲いていた斑入りの椿


紅さんと私は呼んだけど


今朝 姿を消していたのです


あの家も壊されていき


花の記憶だけが残されて


さよなら桃さん さよなら紅さん


天国でまた 並んで咲いてくださいね


そのうち私も 眺めに行きます



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る