第7話 感傷的な言葉

女の子は悲しむのが好きだから


そう言った彼女は サガンがお気に入り


始業前の教室 私は小声で告げた


ヨネちゃん タバコ臭いよ


やっぱりか まずいな


気をつけてね と私は言った


あれからどうしてるんだろう 


ピアノレッスンに行くと上京し


夏休みが終わっても 帰ってこなかった


どうしてるんだろうね ヨネちゃん


二十歳を過ぎて だいぶたってから


私ははじめて サガンを読んだ


いつまでたっても ヨネちゃんは


私のなかでは 十六歳のまま


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