第5話 お兄様と秘密の約束

お兄様はちょっと迷ってる感じだったけど僕の髪に顔を埋めてスーハーしてる。

お兄様は僕の髪?匂い?が好きらしくて、昔からスーハーしてくる。


僕はくすぐったいのを我慢して、でもちょっぴり嬉しい気持ちでじっとしてる。

大好きなお兄様には何されても嬉しいんだよね。


「リオン…閨のお勉強ってのはベッドでする大人になるために必要なお勉強なんだよ。私がお勉強するとリオンにも教えてあげたくなってしまうかもしれないんだ。

それはリオンには早いから…セブは添い寝はしないほうが良いって言ったんだと思うよ。」


お兄様がベッドで教えてくれるお勉強?何だか楽しそう!

ベッドだからくすぐったりとか?ふふふ、そんなの僕に早いのかなぁ?

僕はお兄様の胸元で考えを飛ばしてあれやこれやと想像してみた。


「ふふ。百面相しちゃって、リオンは可愛いね。」


「お兄様、僕には早いのかもしれないけれど、お兄様に教えてもらうのはとっても楽しそうです。ちょっぴりで良いのでこっそり教えてくれませんか?


…それに添い寝がなくなるのは仕方がないけれど、お兄様とベッドでお話出来なくなるのもとっても寂しいです。。。」


僕は楽しかった気分が急に萎んで、悲しい気持ちがブワッと膨らんで喉の奥までキュっと痛くなった。


「…私もリオンと一緒に眠れなくなるのはとても寂しいよ。


…だったらこうしよう。こっそりちょっとだけ眠る前にリオンに私が教えてあげる。そのかわりこの事は誰にも内緒にすること。


秘密に出来るのなら、私がリオンに教えてあげるよ。」


お兄様は僕の頬を両手で包んで目元に優しくキスをした。


僕うっかり泣いちゃってたの?恥ずかしい…。僕、赤ちゃんみたいだ。

泣いちゃって恥ずかしかったけれど、お兄様と2人だけの秘密の約束をした事に僕はすっかり嬉しくなってお兄様の首元に両手でしがみついた。


「お兄様、僕嬉しいです。お兄様との秘密、絶対内緒にしますね?」


お兄様はいつもはゆったりと抱き抱えるのだけど、何故だか僕をちょっと苦しいぐらいしっかり抱き抱えて僕の首筋にしっかりと口付けた。


いつもと違う感じに僕はピクっと震えてしまった。


「じゃあ約束ね。私が閨のお勉強をしたら添い寝は出来なくなるけれど、眠る前にリオンにこっそりお勉強を教えてあげる。

2人の秘密だよ?」


お兄様はクスっと笑うと僕に甘い囁きで約束してくれたのだった。

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