3/27 生命の神秘

入院。

思っていたより呼び出しが早かったので、当日夜、ライブを観に行く予定が流れてしまった。


一応、外出許可をお願いしてみたが、インフルエンザ警戒対策実施中、という意味から、許可は降りなかった。


とほほ。まあ今回のライブには縁がなかったという事だろう。


退院中の外来で、過去に治療済みの、かぶせ物の下でまた虫歯になっていた歯を抜いた。


理由は、白血球数が下がって来た時に、虫歯菌が悪さをして、感染症を引き起こす危険性があるから!


厳密に言うと、一旦下がり切った時は痛まないのだが、新しく生まれた白血球が増えて来る段階で、虫歯に対して一気に攻撃をするので、その時に、痛みと発熱があるそうである。


前回の治療の時も、38、2度まで上がって、一時騒然となった事があった。


5月中旬に骨髄移植を控えて、リスクは最小限にとどめておく必要があるだろうとの事で、取られた措置であった。


2月末に白血球の型を調べた次男に引き続き、長男も調べてもらったところ、なんと、息子二人は丸っきり同じ型であったとの事!!


そしてありがたい事に、私の型とは一座違いという話で、適合!!移植可能という結果が出た。


どちらから頂いても大丈夫、と説明を受け、様々な条件を考え合わせた末、長男から分けてもらう事に決定した。


ちなみに、血縁ドナーで一座違いの場合は、骨髄バンクで探して(全て適合、同じ型。)というケースに相当するという事で、Dr.が「上手く行って普通、というケースです。」と太鼓判を押していた。


さて、治療も3回目ともなると、見通しが立てられるので、ずいぶんと余裕を持って臨めている。


今回の入院の、1日目と2日目は、治療は始まらず、歯科の受診が入っていたので、尚更、3日目に治療開始となる前から、寝不足による頭のふらつきや痛みを自覚していたし、気持ち悪さについても、抗がん剤のせいだけでなく、便秘気味になる事により、腹部がスッキリしないという事なのだ、とよくわかった。


よって、良く眠る事を心がけ、薬を上手に使って、お通じを促す事。


これが、快適に過ごすカギだとわかった。


むくみの方はいかんともし難く、入院4日目(治療開始2日目)にして、不気味な体重増加現象が見られている。







〜追記〜

親子間で白血球の型が合う確率は決して高い物ではない、と聞いていました。


そのため、検査結果の報告を受けた時には、(有り得ない。)とポカンとしていて、「反応薄いですねえ。」とDr.をズッコケさせてしまいました。


神秘的な事に、母子間の移植が一番理想的で、なぜなら、母の方が、以前10ヶ月間お腹に宿していた事の記憶を持っていて、そのため、拒絶反応が軽くて済むのだそうです。


私と長男の場合について、私の方から、長男の骨髄の成分を攻撃する可能性がある部分につき、抗原抗体反応が出るかどうかの検査もしてくれて、結果、抗体がなかったので、攻撃する心配は無し。

安心して移植に臨めるとの事でした。


母子間の移植のくだりでは、生命の、神秘的で、かつ緻密極まりない法則をかいま見てしまった気がして、怖くもありました。


そして、理想的と言われるケースに、自分と息子が当てはまるという事を聞いた時には、それまで心の奥で重く居座っていた、(私は消えてしまうのだろうか…)という苦しい不安が、ふわっと一瞬軽くなって、少し顔を上に向けて笑う事が出来る様になっていました。




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