ICUデビュー追記

導尿処置の真っ只中です。


狭い病室にたくさんの人が入っていたので、今度は暑くてたまらなくなって来ました。


「あっつい。」と思わずつぶやくと、導尿処置中で凍り付いていたNs.たちの緊張が一気にほぐれたのか、「集中しちゃってたから、暑いね。」と皆さん笑っていました。


ICUの病室は、患者に刺激を与えないためでしょうか、照明が暗いのです。薄暗い中、集中して尿道に挿管するのですものね。

Ns.は集中の極みであった事と思います。


そしていよいよやっと、待ちに待った酸素吸入です。


秋の終わりに良く見かける、落ち葉をものすごい勢いで吹き飛ばして掃除する、強風を出す機械がありますが、体感的にはまさにあれくらいの勢いと量の酸素が、ものすごい迫力で、顔全体めがけて噴射されて来ました。


今まで一般病棟や無菌病棟でされて来た酸素吸入の、なんと可愛らしかったこと…


超酸素噴射!


(風が強すぎて息が出来ない!)


ほぼパニックを起こす程の強風。それでも、ハイ、深呼吸して〜、と声をかけてもらって、ゆっくりゆっくり呼吸を繰り返すうちに、徐々に息が落ち着いて行きます。


あ〜なんか楽になった〜。息が出来る〜。


その後間もなく、意識が遠のいて行って、昏睡状態に陥って行きます。



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