第10話 ハンスの気持ち 前編

私は、ハンス・レーフェル


年は、15




アルス家の騎士団長であり


レイビス様の専属メイドでもある




私の家レーフェル家は、代々アルス家の騎士団長をしている


今代のレーフェル家は、男が3人いた


だから本来は、その3人の内の誰かが騎士団長になるべきだった


だがその3人は、5年前の大戦で戦死した




その時のレーフェル家当主は、どうしても自分の子が騎士団長に


なってほしいと思っていた


当然騎士団長には、男しかなれない


そこで父は、私に男装させ性別を偽らせ騎士団長にならそうとした


私も騎士になるつもりだったので


剣は、得意だった




そして、剣の腕前が評価され


私は、騎士団長になれた


その後、ラーモンド様には、父から女であることを言っていたため


もう一つ役割を与えられた




それは、ラーモンド様のご子息レイビス様の


専属メイドだった




当然私は、剣だけで生きてきたため


女としてのたしなみ


メイドとしての心構え


メイドの仕事


すべてが知らなかった




その後、私と父は、断ったが


年が一番近いのがお前しかいないと言われ


渋々了承した




一週間後


レイビス様のメイドとしての仕事が始まった


周りから聞いていた情報では、




ヤンチャ


いたずらっ子


朝に弱い




などなど


悪い事ばかりだった




だが、実際に会ってみると


そうでもなかった




いつも部屋で読書して


メイドが朝 昼にいた時も


何も話をせず




10歳上の兄にも話かけず


なんかかわいそうだった


おそらく自分と近い年齢の人がおらず


あまり話かけられなかったのだろう




「レイビス様 新しい専属メイドです」


「え あ お願いします」




レイビス様は、あいさつをして


すぐ読書を始めた




その後も


「レイビス様 勉強しましょう」


と言った時は、


教科書を開き自分で勉強して




「レイビス様 遊びましょう」


と言った時は、


「いい 自分で遊ぶ」


と言い 読書を始めた




ただ一つ興味を示してくれた事があった




「レイビス様 剣の練習しましょう」


そう言うとレイビス様は、


読んでいた本を閉じ




「分かった 早くやろう」


そう言い 屋敷の庭に一直線に行ってしまった




その日は、夕方まで剣の練習(試合)をした


結果は、20回やって15回私が勝った


正直初めて剣を触った人に5回も負けてしまって


騎士団長やめようかとも思った




それからまた何年もレイビス様にメイドとして仕えて


たまに思うことがあった




(レイビス様 かっこいいな


 これからも仕えて


 ゆくゆくは、結婚したいなぁ)




レイビス様は、控えめに言ってもイケメンだ


そして、優しい


そして、強い


いまでは、剣の試合で


20回中10回勝てるかどうか




そんなレイビス様を私は、好きになっていた


私は、告白するかどうかで迷っていた


この屋敷では、レイビス様と一番年が近いのは、私だ




でも、それでも


レイビス様は、13歳 対して私は、15歳


2歳の差がある


周りからしてみればたった2歳かもしれない


だけど私からしたら2歳もあるのだ


けれど


けれど私は、決心してレイビス様が、成人する日


その日の夜に告白しようと決めていた




まだその時の私は、知らなかった


まさかあんな事になるなんて

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る