夏こそ小説の時期だ

 長く人間をやってきて、小説を書くのは夏が向いている、という結論に至った。春は心地良すぎて、眠くて仕方がない。秋冬は手が悴んで仕方がない。布団から出たくない。そこで夏なのである。夏は過ごしにくく、いつまでも布団にはいられない。そこを逆手に取るのである。執筆とは、いかに布団を遠ざけるかが勝負の分かれ目だ。布団が心地良くない夏こそが向いている。


 秋冬のセンチな気分も捨て難いが、夏には甲子園もある。

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