不文集

『粋』でありたかった

　カッコよく映画は映画館で、本は図書館で楽しみたかったが、私はもうダメかもしれない。どう考えたって、家の方が居心地が良いのである。

　どちらも他人の咳払いが気になる。図書館なら走り回る子供が、映画ならスマホの光が気になる。さらには背中を蹴られる。こういう心配をしてまで、遠出する必要性を感じられなくなってきた。それでもギリギリのところで、映画館や図書館の方が良いと思っていたのだが、もう私の中で家の方が上になってしまった。