お前を正論でぶん殴る

 正しいことが常に正しいとは限らないが、あまり知られていないようである。「挨拶は大事」、「人を殴ってはいけない」これら正論は、一見すると正しいように思える。しかし、それが当てはまらない状況というのは、往々にしてある。


 こんな状況を考えて欲しい。

 遅刻ギリギリで家を出ようとして、呼び止められたと思ったら、「行ってきますは?」と言われたところを。

「挨拶は大事」それに加えて「遅刻する方が悪い」という正論は、この場において重要だろうか?


「人を殴ってはいけない」も、暴漢に襲われているときはその限りでないだろう。無抵抗を貫いていたら、正論を胸に死んでしまうかもしれない。


 正論は多くの場合において正しい。故に反論も出来なくて厄介である。用法用量に気を付けてほしい。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る