ここじゃない住処

 自分の特性として、まず家に興味がある。それは理解している。

 無料の住宅情報誌を持ち帰ったり、グーグルマップでこの辺りに住んだらどうなるか、というような妄想に耽ることがしばしばある。まず間違いないだろう。


 その一方で、内装には拘らないようである。

 家具なんかは最低限しかなく、その見た目も良く言えばシンプルだ。最新の家電なんかも、さほど興味はない。本なんかも適当に並べてあるし、定期的に処分している。これはどういうことか。


 やはり、今の住処は「仮宿」と思っているのであろう。

 仮の拠点だから、荷物を増やしたくない、家具にこだわりたくない、それどころか、すぐに出て行けるようにしたい。そういう機微が無意識のうちに行動となっていたに違いない。

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