55 ミシン

(さんざん着せ替えて遊んでくたびれ気味のオタクちゃんこと真野)


(まだまだ着せ替える体力に自信のあるギャルちゃんこと有紗)


「すごいなー……小さいころお人形で遊んでおくんだった。このクオリティの手作り服すごいなー……」


「でも小さいころはお店で売ってるキラキラのついたミカちゃんの服が欲しかったよ。ブレザースターの服だって作ってもらってるくせにここが違うとか言ってた」


「まあそれは子供だから仕方がない。わたしもミシンのいじり方覚えようかな……」


「いいと思う。ミシン楽しいよ、最初はゴミしか縫えないけど上手くなるとヨッシャ! ってなるよ」


「アリサちゃん、本当にありがとう。わたしの変な趣味に付き合ってくれて」


「違うよ。マヤちゃんが楽しそうだからあたしもドールさん欲しくなったんだよ。それに変な趣味じゃないよ、素敵な趣味だよ」


「そうかな? そうだと嬉しいな。えへへ」


「ミシンうまく使えたらゴスロリ縫えるんじゃない? 中島書店でゴスロリのお裁縫の本売ってたよ」


「えぅ?!(そんなスキルを習得しろと?!)たぶんそこまでは上手くなれないよ」


「やってみなきゃわかんないよ。やってみなよ」

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