20 新鮮な感想

(始業前、カバンから学用品を机に移動するオタクちゃんこと真野)


(購買の唐揚げをもぐもぐしながら真野に近づくギャルちゃんこと有紗)


「おっはよー。どうせ怒られないんだから置き勉すればいーじゃん」


「置き勉したら予習できないよ」


「このバカ高のカリキュラム、マヤちゃんなら予習いらなくない?」


「油断したら赤点取っちゃうよ……」


「それよりもさ! あたし初めてゲームしてみた! 主人公のシギくんカッコイイね!」


「あぇ?!(なんと、これは新鮮な感想を摂取する機会だ……!)ど、どういうとこがカッコイイ?」


「クールに見えて優しいとこ! なんか始めてすぐミズハって女の子助けるじゃん? あの子、お話に関係ある?」


「いや、ミズハはヒロイン……もう一人の主人公……」


「え?! 主人公って一人じゃないの? シギくん死んじゃったりするの?」


「そういう意味じゃなくて、お話を引っ張るってこと。仲間になったでしょ?」


「うん。そっかあ仲間かあ」


「ま、まあ……やってれば慣れると思うから……」


「……がっかりした?」


「が、がっかりするわけないじゃん!」


(なんででっかい声で言ったんだろ? 面白!)

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