オタクちゃんとギャルちゃん

金澤流都

1 出会い

(ひとり自分の描いたゲームキャラのイラストを眺めるオタクちゃんこと真野)


(つかつか歩み寄るギャルちゃんこと有紗)


「……?!」(ノートを隠す真野)


「それさ、なんだっけ、『空に昇る月星』とかいうゲームの主人公?」


「あ、あう、はい」


「うちのお兄ちゃんがそれやっててさ、なんかカッコいいって思ってた!」


「あう、う……」


「あと自己紹介で言ってた『趣味は退屈を叩きのめすことです』っていうの、『グブツゾクブツ』ってマンガのセリフ?」


「は、はい」


「あータメ口でいいよ。こっちもお兄ちゃんが読んでて、難しいけど面白かった!」


「そ、そっか……」


「あのさ」


「は、はい」


「だからタメ口でいいって。なんかウチら趣味合いそうじゃね?」


「……う……(何を考えているんだこのギャルは……しかしわたしが高校生活初手で友達を作り損ねたのも事実……こいつはオタクではなさそうだが友達になれるなら……)」


「あ、ごめん。おせっかいしちゃった?」


「ううん!! なろう!! 友達!!」


「おわ?!(いきなり超ノッてきたし! こいつやべえな?! でも面白そう!)よ、よし、なろう、友達!」

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