バズる神様

 そこは地上から遠く離れた天界。


 そこに住まう神々たちの間では最近ある遊びが流行っていた。


「おい、昨日のツイートはバズったか?」

「ダメだ。全然伸びない」

「俺もだ」


 そう、Twitterに人間のフリをして参加して、どれだけバズらせられるかというだった。


「ワシのはよく分からんがバズっとるぞ。一晩で10万リツイート」と、そこに一人の神様。


「な、なんだって!お前なんてツイートしたんだよ!?」と、スマホを覗き込む神様。


『人類は100年後に絶滅する。神より。↓これ証拠』


「お前、悪魔みたいなやつだな」


「だって事実やし」


「だからだよ。神として超えちゃいけない1線ってのがあるだろ」


 世の中に疫病をもたらすその神は、何が問題なのか分かった様子はなく、ただ首を傾げるばかりだった。


 *


 なお、人間たちが真実だと知るのはそれから100年近く経つ頃。


 #神も仏もあったもんじゃない


 というハッシュタグがトレンド入りしていた。

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