第6話 重要ミッション

今日、俺にとって重要ミッションがある。

勝ち取ると休み時間や放課後、ラノベや漫画は無料で読みたい放題。

更には好きな本や置いて欲しい本もリクエスト出来るという特権付きの最高職。


そう。それは“委員会決め”だ。

うちの学校では各委員会で2名ずつ立候補で決めている。


もちろん狙うは図書委員一択。

まずクラスのカースト上位者、陽キャたちはこんなに地味な委員会は選ばないはず。

ということは自分と同族の陰キャヲタクがライバルだという事だ。

同じクラスのオタクといえば……前の席の前野くらいしか思いつかないな。

前野はアニメだけで漫画とか原作は見ないタイプだった気がするが、一応確認をとっておこう。

「なあ、前野。前野って委員会何が入るのか?」

「僕? 僕は購買委員いいなあって思ってるけど、まだ全然決めてないよ〜。余ってるところでもいいし」

よしよし。敵は居ないようだ。


そして他の委員会は順調に決まり、ついに時が来た。

「__次、図書委員になりたい人ー?」

俺はしっかり手を挙げた。

周りを見渡したが誰もいない。

ミッションコンプリート、これで思う存分読めるとニヤついていた。

が、暫くして誰もが驚く自体が起こったのだ。

なんと隣の席の美少女、水瀬真雪が図書委員に立候補していた。

クラスのみんなが「え、どうしてなんか図書委員に⁉」と驚いているが、俺はたぶんみんな以上に困惑していたと思う。

まあ2名ずつと言うのは知っていたから、誰かしらとは一緒にすることは分かっていた。

でもこんな地味な仕事しかしない委員会に水瀬さんが入るとは思ってもみなかったのだ。

まじでどうしよう。

全く上手くいく気がしないんだが。


ちらっと横を見て見るとばっちり目が合ってしまった。

(よ・ろ・し・く)

そう水瀬さんは口パクで言ってきた。

えっと、俺なんかでいいんでしょうか……


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