赤ずきん3
「う~ん、楽しか━━━うわっ、ビックリした!いつから居た、
「大声出されてビックリしたのはこっちですよ。兄さん」
ログアウトしてから、直ぐ目の前に妹の顔....いや、誰かがいれば誰だって驚くだろう。
「兄さん、ご飯だそうですよ。早く降りて下さいね」
妹の杏はチラッと
妹に言われて軽く身仕度を整えて、一階に降りる。
食卓には、もう全員揃っており
「
「「「「いただきます」」」」
「はむっ、この肉じゃが美味しいな」
じゃがいもは煮崩れしてないし、味も浸透しており美味しい。とても、好みの味だ。
「兄さん、それ私が作ったのですよ」
「そうか。料理の腕上がったな」
「はい、兄さんの将来のために花嫁修業してますから」
「....この玉子焼きも美味しいな。もぐもぐ」
杏が意味深な発言をしたが、
「....兄さん、無視しないで下さい」
「うははははっ、王子たかしは杏に慕われて良いな。これで我が家は安泰だ」
「そうね。
おい、義妹だけど兄妹の結婚を推奨してるんだ。それでも、親なのか。
「はい、母さん父さん、私頑張ります」
俺の父さんと母さんはバツ1同士で三年前に再婚したのだ。父さんの連れ子が俺で、母さんの連れ子が杏になる。
(まったく、確かに杏は贔屓目に見ても美人で家事もするし、理想的な嫁になるかもしれんが俺達は兄妹だぞ。結婚なんて考えられん)
まだ、俺と杏が結婚する話で盛り上がってきたので、颯爽と食べてダイニングを後にする。
━━王子たかしが出た後のダイニング━━
「あっ、そうだ。父さん、後でお願いがあるんだけど」
「ん、なんだい?杏のためなら何だって良いよ」
「じゃあ、お風呂入ってから寝室に行くから。あ、母さん手伝う」
夕飯の片付けを手伝う杏をお茶を飲みながら微笑ましく見ている父・海翔。
この天童家では、何故か一番風呂は父・海翔ではなく、その息子の
最後は父と母が仲睦まじく入るのだ。まぁ、夫婦なので問題ない。いい年になって新婚みたいにされるのは恥ずかくはあるが。
コンコン
「杏、お風呂出たよ」
「は~い、今行きます」
━━━杏入浴中━━━
「クンカクンカ、はぁ~、やっぱり兄さんの入った後のお風呂は良い匂いで疲れが取れますね。うふふふふっ」
杏のセリフが
「それにしても、兄さんは酷いです。一人でアルタイルをやって。兄さんの事だから、きっと最近話題のGWOでしょう。今までゲームに興味無かったのですから」
プンプンと可愛く怒りながらも、兄さんは私がいないと仕方ないのだからと思っていた。
━━━天童夫妻寝室━━━
コンコンっガチャ、ギーー
「失礼しまーす。お風呂出ました。あ、父さん頼みなのですが、これを欲しいのです。お願いなのです。だめですか?」
上目遣いでウルルと父・海翔を見詰める。
見詰められた父・海翔は杏にメロメロだ。杏の頭の中ではチョロいと思ってる。考え方が見た目と反して悪女ぽい。
「ん、これかい?」
「はいなのです」
「可愛い娘の頼みだ。ただし、これは人気がある物だから買うのに時間がかかるけどいいかい?」
「それは仕方ないのです」
父・海翔にオネダリを成功した杏は心の中でガッツポーズを決めていた。
━━━GWO内赤ずきんの世界━━━
再度、赤ずきんの
「誰かお待ちかな?お嬢さん」
「!!王子様、こんなに早く来るとは思ってませんでした」
「王子ではなくて、
「え、えーとね」
頬を紅く染めて、もじもじと指をいじる。
「わ、私の家に来て欲しいの!」
「え、シャルルの家に?」
(本来は赤ずきん本人の家は登場しないはずだ。超気になる)
「うん、そう。だめですか?」
上目遣いで見詰めてくる。
うっ、そんな目で見詰めてくるのは卑怯じゃないか。断れるはずも無い以前に断るつもりは毛頭ないけどね。
先ほどの会話がきっかけになったのかクエストが出現した。
・クエスト:赤ずきんシャルルの家に行け
・クリア条件:赤ずきんシャルルの家に到着
・失敗条件:日没まで着かない(およそ2時間)
・クリア報酬:???
・受けますか
イエスorノー
もちろんイエスに決まってる。シャルルの家が楽しみだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます