あのホームレスに七億を…… プロローグ

 とある田舎にとても見晴らしの良い高台がありました。


 おや、神様の姉妹がお茶を楽しんでいるようです。


 三脚に日傘を固定して、仲良く二つ並べたパイプ椅子。


 簡易的なテラスといったところでしょうか。


「はい、ヒイラギちゃん……あーん」


 お茶菓子を手に持つ幼気いたいけな女の子(姉)。


「あーん……もぐもぐ。姉様ねえさま! これすごく美味しいですー!!」


 パクっと食べてハシャグ少女(妹)。


 とても仲睦なかむつまじい様子になんだか微笑ましくなります。


 でもこれ……逆では?


「なによー! 姉が妹におはぎ食べさせて何が悪いっていうの?」


「まあまあ、姉様ねえさま。今の姉様は力を失って幼児体型になっている訳で……絵面えづら的には見た目がティーンエイジャーくらいなヒイラギが幼稚園児にあーんした方が尊さレベルが増すんですよ……きっと」


「はあ!? わたしが幼稚園児ですって!? 一体誰のせいでこんな体型になったと――」


「はい! 姉様あーん、です!!」


「あーん……ん~! やっぱり三日月堂のおはぎは絶品よね!」


 ハイOKでーす!


 それでは本編をお楽しみください。

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