第37話 おいおいおいっ?!
私とラナイス様はリヴェイル殿下とオデリアナのキラキラコンビの後から、静かに城内に入って行った………がぁぁ!?
何でか知らんが久々の下膨れ白饅頭のカヒラが、デデーンとまさにデデーンと城に入ってすぐのポーチに取り巻きを引き連れて立っていた。
カヒラあんた…暫く会わない間にまた横に広がったんじゃね?
「あ~らぁオデリアナわざわざ何の用なのかしらぁ?」
リヴェイル殿下を目の前にして、白饅頭がオデリアナに向かって叫びながらボヨヨ~ンと近付いて来た。
しかし、リヴェイル殿下はそんな白饅頭にひるむことなく
「正式なご挨拶は後ほどしようか、オデリアナ」
と、言ってから後ろに控えていたオデリアナに顔を向けると声をかけた。
カヒラの後ろに控えている、家臣達が土下座でもする勢いで腰を落としている。それを見て怪訝な顔を見せるカヒラ…あれ?もしかして?
恐ろしいことに白饅頭は、目の前のマッチョがリヴェイル殿下だと気が付いてないのか?
オデリアナは伸ばされたリヴェイル殿下の手を見て一瞬、真顔になっていたけれどすぐに令嬢スマイルを浮かべて、リヴェイル殿下の差し出した手を取った。
そして無視されちゃった白饅頭カヒラはというと…永遠のライヴァル?と思っているオデリアナが、わたくしを無視!?むきぃぃぃ!という感じの表情をしている。
はっきり言ってここまで、私とラナイス様は完全無視をされている。いやまあ、それはそれで煩わしくなくて構わないけどね。
何故、カヒラが私やラナイス様を無視するのか…大体は見当が付く。
それは恐らくラナイス様がハッピーハロウィン☆彡みたいな包帯男コスプレはしておらず、美しいご尊顔を全て曝け出しているからだと思われる。
カヒラにして見れば絶世の不細工男がいるんだもんね…そりゃ目も背けるってもんだ。
カヒラはお付きの侍従(体格はドスコイ)を従えて、ドスドス…という効果音が聞こえそうな動きをしながら、リヴェイル殿下御一行の後を追って行った。
カヒラには無視されちゃったけれど、私とラナイス様も後に続くことにした。勿論、使用人達は私とラナイス様を無視なんてしない。笑顔を浮かべて私達を見てくれている。
しかし気が重いわ…廊下を歩いている私の後ろにくっついて宰相とか外務大臣とかが話しかけてくるんだよね。
リスガレリア帝国からの強い要望で、リヴェイル殿下とオデリアナ様の婚姻が進められてるから、流石にカヒラ殿下の横入りはありませんよね?とか…
リエラレット妃殿下が、カヒラ殿下とオデリアナ様を入れ替えて婚姻すればいいじゃない?とか妄言を仰っているのですが、どうしましょうとか…
何で私に言うんだよっ!お父様かリエラレット妃に直接言えよっ!
まあ…気持ちは分かる。お父様は兎も角としてもリエラレット妃に直凸は出来ないんだろうね。
さてさて…身支度を整えて、国王陛下(父)との謁見に挑みましたよ。
…がっ!
謁見の間に行くと、国王陛下とリエラレット妃とカヒラ白饅頭が居た。これは当たり前なんだけど何だかカヒラが妙にニヤニヤしている。
何故笑ってるの?嫌な予感がする…
リヴェイル殿下にエスコートされたオデリアナが国王陛下の前に立った時だった。カヒラが突然叫んだ。
「聞いたわよ~オデリアナ~あなたやーっと婚姻だってね?それにしてもリヴェイル殿下って…プッ…不細工なオデリアナにはとっ~てもお似合いの容姿の方ね!不細工同士、永遠に仲良くね!
いっ……いかーーーんっ!?何故白饅頭をここで野放しにしていたんだっ!100万回後悔したって今更遅いけど、これはいかーーーーんっ!!!
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