第8話
空は風呂から上がり、リビングに入ると義父がソファに、母がキッチンにいた。
キッチンを通り過ぎると、母に挨拶をされたので、それをそのまま返して、ただソファに座る。
特にすることが無いので、ニュースをボーッと眺めていると、
「空君。」
「はい」
空は思わず、背筋を伸ばしてしまう。
「そんなに畏まらないでくれ」
「わかりました」
姿勢を崩すと、義父は何かのパンフレットを差し出してきた。
「今度の日曜空いていたら、ここに行かないか?」
そのパンフレットには、"温泉ランド"という場所が大きく書かれている。
水着で温泉に入るらしい。温泉のレパートリーも、かなり広く種類とその効能が書かれていてなかなかに面白い。
「空いてます」
「そうか!確か、瑠璃も空いていると言っていたし、家族水入らずといこうじゃないか」
温泉の水入るじゃねぇか、というくだらないギャグを空は飲み込んで頷く。
パンフレットを眺めているとテーブルに朝食が差し出された。
「ほら。今日学校なんだからさっさと食べて、制服に着替えなさい。場所はわかるわよね?」
「全く」
「調べなさいよ。ったく」
そもそも、空は通う学校名も知らないため、調べようがない。理不尽だ。
「ほら、ここね」
風ヶ丘高校と書かれている。
「了解」
朝食として出されたパンに齧り付いて、風ヶ丘高校を検索したら、すぐにでてきた。
校舎は広く、校庭も広い。
制服も格好がいいし、中には飲食チェーン店やコンビニチェーン店が設備されていて快適に過ごせるらしい。
しかし、空はすぐに興味を失い残ったパンを丸呑みしてから
歯磨き、着替えなどの支度を済ませて家を出た。
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